場所は、古本カフェ「午後の時間割」さんです。
ご参加者は定員一杯の6名+飛び入り参加1名で、にぎやかな会となりました。
ご参加くださったみなさま、ありがとうございました。
「考え方が変わった本」というテーマだった今回、ご紹介いただいた本は次のとおりです。
●新井勝紘『五日市憲法』岩波新書
五日市をはじめとしたこの地域は先進的な気風があった。歴史は風土の中でできている。
●日高敏隆『動物と人間の世界認識』ちくま学芸文庫
ユクスキュルの環世界を紹介。
日本自然保護協会の活動で日高先生と面識があるという参加者がいらっしゃり驚き。日高先生のお人柄についても伺いました。
●エーリッヒ・フロム『愛するということ』紀伊國屋書店
「愛とは技術だろうか。」という一文が刺さった。人は愛されることに重きを置きがちだが、技術をもって人を愛すること、また、自分を愛することが大事。アドラー『嫌われる勇気』と通じるものも。
●山田太一編『生きるかなしみ』ちくま文庫
旅に出られなくとも嘆くことはないと思えた。
●長田弘『私の二十世紀書店』みすず書房
書評集。画家や音楽家の著作も多数紹介されている。
●吉田知子『お供え』講談社文芸文庫
ちょっと不思議でちょっと怖いお話。『小川洋子の偏愛短篇箱』でも紹介されていた。
●池上俊一『動物裁判』講談社現代新書
12世紀から18世紀のヨーロッパでは、ブタやウシ、ミミズなどの動物のほか、氷河や鐘までも裁判の被告となっていた。
本書から派生して話は捕鯨問題にも。
●ゴーチェ『死霊の恋・ポンペイ夜話』岩波文庫
自分の思いを表すのに文章は適切なのかという疑問にぶち当たったときに、何としても文章で表そうとするゴーチェの熱意に勇気づけられた。
●鈴木るりか『さよなら、田中さん』小学館
「もし死にたいくらい悲しいことがあったら、とりあえずメシを食え」
●宮下奈都『羊と鋼の森』文春文庫
ピアノ調律師という表に出ない仕事の素晴らしさ。調律は毎年同じ季節にしてもらうとよい。
このほか、本は紙派か電子書籍派かという話題や、神保町の歩き方、TBSラジオ「文学の扉」ご出演の経験談など、話が盛り上がりました。
次回開催は、9月29日土曜日の予定です。
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